樹木の病害虫 その症状と防除
● ベニカナメモチとごま色斑点病
ベニカナメモチの葉には、ごま色斑点病が多く発生します。
4月下旬頃より葉の表面に紅色の小斑点が沢山でき、発病は秋まで続きます。
やがて斑点の色は紫色に変わり、被害が激しくなるにつれ、紫色~黄色に変化して落葉するのです。
葉数が少なくなると樹勢も衰え、激しい時には枯死にいたります。
防除方法
毎年同じ時期、同じような場所に発生するため、観察していると発病の初期が分かります。
この時期が薬剤散布の適期であり、トップジンM水和剤の1,500~2,000倍液を2週間間隔で2~3回散布することが有効です。
また、発生面積が少ない場合は、サンヨール液剤ALでも効果があります。
● チャドクガ
チャドクガは毒を持った蛾の種類で、サザンカやツバキが植栽されている場所に発生します。
刺されると激しい傷みが襲い、場合によっては入院することもあるほど。
チャドクガに刺された時は患部を掻いたり強く擦ったりせず、患部にセロハンテープを貼ることで、皮膚に付着した毒針毛を取り除いてください。
ひどい場合は放っておかずに、病院で手当てを行いましょう。
防除方法
カルホス乳剤1,000倍液、トレボン乳剤4,000倍液、ディプテレックス乳剤1,000倍液などの散布が有効です。
発生を見つけたらすぐに散布してください。
● サンゴジュハムシ
光沢のある広い葉を持つサンゴジュは、ひと際目立って美しい植物です。
しかし4月上中旬頃から秋頃にかけて、茶褐色の汚い食痕が発生することがあります。
これは、サンゴジュハムシが発生している証拠。
幼虫は黄褐色の長楕円形で、体の各節には黒い小斑点を横嶋に並べたような模様をしており、成虫は6mm程度の黄褐色のコガネムシの様な甲虫です。
防除方法
冬の剪定枝を完全に除去し、発生源を断つことが最も大切です。
薬剤はディプテレックス乳剤1,000倍、スミチオン乳剤1,000倍などが有効。
サンゴジュハムシは葉の裏に多く生息するので、薬剤を樹木全体に満遍なくかける必要があります。
● うどんこ病
もみじやさるすべり、バラなどの樹木は、夏になると必ずと言っていいほど“うどんこ病”が発生します。
樹木の他にも、野菜や果樹にも発生しやすく、生育を著しく抑制してしまいます。
うどんこ病の病原菌はカビで、樹木や作物ごとに菌の種類が異なることが多いのも特徴。
一度発生すると薬剤散布を数回繰り返しても中々治りません。
防除方法
発病を発見したら、直ぐに薬剤を散布しましょう。
高い効果を出すためには、薬剤の濃度を高めるよりも基準濃度で散布水量を多くし、葉裏にも十分散布する必要があります。
薬剤はトップジンM水和剤の1,500~2,000倍液、サンヨール乳剤の500倍液、サンヨール液剤ALが有効です。
● 褐班病(かっぱんびょう)
褐班病はつつじに見られ、春先に新葉が開ききった頃、葉脈に沿って3~5mmの褐色の斑点が一斉にでます。
被害が大きいと落葉し、垣根などに大きな穴があくため、景観上好ましくない状態に。
この病気は毎年同じ場所から発生が見られ、年々被害が激化するため、早期に防除する事が大切です。
防除方法
病気を見つけたらすぐに薬剤を散布してください。
薬剤は発病初期なら銅剤を散布し、発病が進んでいればトップジンM水和剤1,500倍またはサンヨール乳剤1,000倍の散布を散布しましょう。
5月から9月頃までに3回~4回を十分量の薬液で、葉裏にもかかるように散布する事が重要です。